40才を過ぎてからおこる目の病気

ここでは、「40才をすぎてから起こる目の病気」で、3つの疾患についてお話いたします。

白内障

目のなかの水晶体というカメラにあたるレンズの部分が白く濁ってくる状態のことを言います。高齢になるにつれて、どなたもが白内障になっていきます。

たとえば、60才代の方は60%の方が、70才代の方は70%の方が白内障になっていきます。ただし、白内障と診断されてもすべての方に手術が必要ということはありません。初期の状態でしたら目ぐすりで進行をおさえる方法もありますし、メガネの色や度数を変えるだけでもはっきりみえるようになることもあります。

手術の時期は個人個人によって違いますが、水晶体の混濁が進行して視力が低下し日常生活がご不自由になるようになりましたら手術をお受けになったほうが良いと思います。

緑内障(含 正常眼圧緑内障)

今までは一般的に、眼圧(目のかたさ)が高くなり視神経が侵されて、見える範囲が狭くなってしまい、進行すると視力低下を起こす疾患といわれてきた病気です。

初期の状態では、「自覚症状」が全くないため、市の健康診断や会社の健康診断ではじめて緑内障を指摘されて来院される方が多くいらっしゃいます。

眼圧が高いだけでは診断できず、眼底検査(特に、視神経の状態)をしらべることが大切になってきています。

最近のデーターでは、日本人の40才以上の方の、「17人に1人が緑内障」という結果がでています。

当院では、できるだけ早期に緑内障を発見し治療を開始できるように注意して診察しております。

40才をすぎましたら1度は緑内障があるかどうか、視野検査などくわしく検査をされることをお勧めします。

糖尿病網膜症

糖尿病は高血圧や動脈硬化と同様、生活習慣病のひとつです。
今日、日本人の糖尿病患者さんの数は「約740万人」をこえているといわれています。
平均寿命が長くなったこと、食生活が欧米化したことまた、運動不足による肥満の増加なども関係しているようです。

糖尿病の合併症で年間に約3,000人もの方が高度の視力障害者となっています。

この疾患も緑内障と同様に、初期の状態では視力低下などの「自覚症状」がないため、内科にて糖尿病と診断されましたら、早期の時期に眼科医での診察、および治療が必要になってきます。

おわりに

「40才」という年齢は、まだまだ若い年齢ですが、体にいろいろな生活習慣病がおこりはじめるのと同じように「目」にもいろいろな病気がおこりはじめます。

目の病気の多くは、初期の段階では「自覚症状」がほとんどなく、病状が進んでからでないと視力低下や視野狭窄などの症状がでてきません。ですから、定期健診(会社の定期検査も重要です)がひじょうに大切になってきます。

40才をすぎましたら、何の異常も感じない方でも、1回は眼科医による精密検査をお受けいただいて、いつも健康な目を保つよう心がけていただければ幸いです。

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